世の中の99%の人が知らない?!
けどシェア50%のリッチ企業って?!
株式会社エム・システム技研様×学生記者(ユーマッサ)

株式会社エム・システム技研 担当者の写真

AGESTOCK学生記者 ユーマッサのプロフィール

みなさん「ニッチトップ」という言葉をご存知ですか?そのままですが、ニッチな分野のトップ企業です。優良企業が多いとのことですが数が多くないので、巷では見つけたらラッキーとさえ言われています。今回は、マニアックもマニアック、世の中の99%の人がその存在を知らないという『信号変換器(通称:黒い箱)』を扱う企業に取材に行ってきました!実はこちらの企業、学生記者が訪問するのは2回目!前回記事はこちら好評につき、ふたたび訪問となりました。

就活といえば、「御社の商品がすごく好きなんです」という愛に溢れた志望動機が必要と思われがちですが、この企業では「商品好きで入った人はいない」と言われるくらい。なんだか個性的な匂いのする企業ですが、さっそくインタビューしてみたいと思います!

「カールってどうやってできるか知っとる?」

記者さっそくですが、こちら、ですか・・・。

七條こちらです。

ジャーーン!これが噂の99%の人が知らない黒い箱だ!

これは、その、つまり、一体どういう・・・

記者一体何をするモノなのでしょうか?

七條ものづくりにおける、自動化、オートメーションを支える機器です。

記者おーとめーしょん。

七條アナログをデジタルに変換したり、微弱な信号を増幅したり。

記者・・・。その、具体的にどんなところで使われているんですか?

七條ものづくり工場の装置にはほとんど入っています。NASAとか虎ノ門ヒルズとか。

記者!!!NASA!虎ノ門ヒルズ!!

七條あとカールを作るマシンとか。

記者カールってお菓子のカールですか?

七條そう。「カールってどうやってできるか知っとる?」「知らん。」「こんなんがピューッって出て、パンパンパン!ってできんねんで。それにウチの製品入ってんねん。」とか営業が目キラキラさせながら話してきたりしますよ。

記者面白いですね!チンプンカンプンの工場や製造現場に行くのかと思っていましたが、知ってるものもあるんですね。楽しそうです!

カールの工場、NASA、ヒルズ!カールはピューッと出てくるっと。

※東京ディズニーシーのあの炎の正体も作っています!

30年前に買ったコレと同じものください!「…あるよ。」

記者貴社の強みを教えてください。

七條製品を廃型にしません!20年30年経って「コレください」と言われても「ありますよ!」と言えます。

記者えー!古い製品もずっと作ってるんですか?

七條注文があれば、いつでも作れる体制があります。

記者すごい!でもなぜ?

七條ウチの製品は主に工場の装置に入っているので、そういった製品はたいてい20年とか長い期間使うんですよ。パーツ壊れて「ありません」と言ったら総入れ替えしなくちゃならない。不経済だし、すごい手間になるんです。

記者たしかに・・・。お客さん離れにもつながりそうですね。でも、作り続けるってすごくコストかかるように思いますが?

七條かかりますよ!めちゃくちゃ手間もかかります。しかも、当時と同じ値段で提供しています。

記者同じ値段!良心的すぎる・・・。製造はやめないんですか?

七條やめません。開発費の償却は終わってるんですよ。だから、どんどん損益分岐点が下がっていって、どんどん儲かる仕組みになっている。古い製品は利益率が高いので、やめないです。

「1986年の製品?今何年だと思ってるん?そんなん…」

「あるで。」

「ちょっと待っとって。お茶飲んでくる。」

記者七條さんの入社されたキッカケを教えてください。

七條僕は中途入社なんですけど、24才で前の会社を辞めて。合同説明会に行ったんです。どこの会社聞こうかなぁと思って見ていたら、ぱっと「シェアNo.1」という言葉が見えて。シェアNo.1かぁ、規模もそこそこだし聞いてみよか、って。

記者なるほど。

七條で、順番待っていて、前の人がはけて自分の番になったときに、当時人事担当だったおじちゃんが「ちょっと待っとって。お茶飲んでくる。」ってどっか行っちゃったんですよ。

記者え(笑)

七條自分が逆の立場で採用したかったらもっとガツガツするじゃないですか。それで、なんて余裕のある会社なんだ!と思って。

記者それで!

七條それで、行きたいなぁと思っていたら採ってもらえたんで、入社しました(笑)

記者ちなみに前職は何を?

七條住宅の営業です。

記者なぜ転職しようと思ったんですか?

七條住宅業界って競合がすごいたくさんあって。トップシェアの企業でも10%ないんですよ。一度の受注にすごいたくさんの会社と競うんですけど、そのわりに一度取ったら終わりで、常に新しいお客さんを探さないといけない。そういうのに少し疲れてしまって。

ユニークすぎる入社のきっかけ。いかにもな理由じゃなくてもいいんだとちょっと安心。

インタビューの受け答えからも、ユニークかつオープンな社風が伝わってくる

3日に1個の製品をリリース?!営業に行く「口実」がある

記者エムシステム技研さんに決めた理由は何ですか?

七條やっぱりNo1がええなと思って。あとは、すごく新製品が多いんですよ。だからお客さんのところに行く口実がある。「こんなんできたんですよ。」って。

記者口実、ですか。

七條苦手なお客さんだとどうしても足が向かないときもある。だけど行く理由を会社が作ってくれるから行きやすい。

記者なるほど。新製品は1年にどれくらい作られてるんですか?

七條年間通して150機種くらいですかね。

記者ふへぇ!3日に1回以上は新製品出てるってことですか!

七條ですね。今製品数が4000くらいありますからね。

記者4000!黒い箱が4000・・・。

今年初めて「信号変換器好き」が来た!

記者全く黒い箱について知らなくても大丈夫ですか?

七條ほとんど入社時は知らないですよ。今まで「信号変換器が好き」って入ってきた人は・・・

松尾今年初めてですね。1人。

七條大半が社風とか、評価制度、お金とかで来る人が多いですね。

記者でも、入社してから興味持てるものなんですか?

七條会社が好きだと、製品も好きになれるんですよ。あと毎日触れてると覚えますよ。

記者難しく考えなくていいということですね。安心しました。

「信号変換器が大好きなんです!!っていうほうが変態やで。」と七條さん。(ほっ)

こっちのほうが向いてんちゃう?

記者例えば営業だと、入社後はどのような仕事になりますか?

七條まずは職種問わず、半年〜1年は工場でものづくりの現場に入ってもらいます。これは関西にしか工場がないので、関西で。そこから面談をして、希望を聞いたりどうしていこうかという話をします。

記者希望って通るものなんですか?

七條それは、そうでもないです。というのも、本人がやりたい仕事と、周りからみて向いてる仕事って必ずしも一致しないじゃないですか。絶対こっちのほうが向いてるよなとか。

記者はい。

七條もちろん一方的にではないですけど、こっちのほうが向いてんちゃう?って本人とじっくり擦り合わせしますよ。

記者それから、営業に決まったら営業に?

七條ですね。でも、さすがにいきなり一人で営業行って来いとは言いません。はじめは指導役がついて、同行しながら覚えていきます。製品の勉強会なんかもあります。

記者よかった、いきなり一人ではないんですね。どれくらいで独り立ちするイメージでしょうか?

七條そうですね、だんだんとここは一人でも任せられるでしょという企業から引き継いでいって、だいたい1年くらいで自分の担当を持って数字を追うようになります。

最年少部長は29才!実績重視の評価

記者その後のキャリアパスはどのようになりますか?

七條ウチは、年齢、学歴、社歴、国籍も関係なく業績重視の評価制度なので、人それぞれですね。

記者若手でも関係なく?

七條ないですね。よく日本の企業だと、何才になったら課長にしてあげるから待っといて、なんてこともあるんですけど、ウチでは一切ない。業績が評価に反映されるのも早いです。

記者スピード出世もできるんですね。

七條これまで最年少で部長になった人だと、29才ですね。今は40代で執行役員をしています。

記者七條さんも部長ですよね?

七條僕も38です。

記者ふおお。すごいです。

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